2006年08月20日

ごめんね・・

いつも一緒にいようね・・って

そういってたのは君の方なのに

もう 僕の存在が邪魔なんだね

なんとなく・・わかるよ

でも 嫌だよ

僕は君のそばから離れないよ

絶対に



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2006年02月18日

見えてくるもの

102174.jpg


忙しいから
ろくに 休みとれないから
遠いから
交通費 かさむから
調子 悪いから

挙げればキリがない理由を
何ひとつ使わず

君が泣くから
顔が見たかったから
ただ それだけのことで
簡単じゃないことを
ニコニコと
やりのけてしまう
君をみていると
”出来ない”って
ただ単に
その気がないってことなのかも知れない
そんなことを思うよ

あれやこれや 訳ありなことを連ねる
大人の世界で
いろんなことが 見えなくなった私に君は
理屈抜き
を、教えてくれる
大切なこと 教えてくれる




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2006年02月13日

大好きと大嫌い

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大好きを20回位言ったころ
大嫌いの波がくる
大好きだけならいいのにな

そういう時は
楽しかったことも
優しくされたことも
何処か遠くへ行っちゃって

優しい気持ちも消えちゃって
いろんなこと、忘れちゃって
出てくる言葉は
大嫌い。

でも・・
本当に そうなら
大嫌いだなんて きっとそういうことも
言わなかったり するんだろうな
言えなかったり するんだろな


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2005年09月26日

猫になってみたいんだけど

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のんびり寝てたいそんな日も
朝がきたよとニャーニャーないて

新聞ばさりと広げたら
ごろんとその上寝そべって

絵を描こうと思っても
やっぱりなんだか紙の上

ごはんをおくれとニャーニャーないて
お風呂へもトイレにもついてくる
開けておくれとなき叫ぶ

開けなきゃドアノブ飛びついて
がちゃりとあけて なにごとも
なかった顔ですましてる

出かけるときも 置いてかないでと
ニャーニャーニャーニャーなき叫ぶから
帰りの時間が気になって
なんだかゆっくりできないよ

まったくもうなこのこねこのこ
けれど さっぱり憎めない

あのさぁ・・
もしも 私がこんな風に
毎日君のそばにいたなら

おんなじように
まったくもうって時計みながら
家路を急いでくれるかな・・



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2005年08月26日

百日紅(さるすべり)

IMG_6358.JPG


『 風に舞い
小さな花びらが
ひとつ、またひとつ
落ちていくさまを見ていると

こうやって
記憶から少しずつ
消えていくのだと
私にも
よくわかる・・よ。 』

百日紅の小さな花が 風に揺られ
はらはらと 落ちていく

『 そう簡単に消えるものじゃないよ・・』

簡単には 消えないなんて
地べたに落ちた くしゃくしゃの
小さな花の ひとつひとつ
拾い集めても
悲しくなる だけじゃない・・

そう思っていたけど
そうじゃなかったね

百日紅は 花を落としても
またすぐに 新しい芽をつけて
次から次へと 花を咲かせるんだって

それがね 長い間、
ずっと 咲き続けているように 見えるんだって
咲き続けて いるように・・




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2005年07月13日

えんぴつ

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シャーペンを使うようになって
少しお姉さんになれた気がした中学のころ

万年筆の茶色のインクがお気に入りで
メモ書きみたいなお手紙を
友達と交換しあっていた高校のころ

字があんまり上手じゃなくて
つるつる紙の上を滑る
ボールペンの文字が 哀しかった社会人のころ

絵を描くようになって
こうしてまた 鉛筆を削っています
白い紙に線を入れる
ざらっとした感覚が 僅かに掌に伝わる
少し濃い鉛筆色の 柔らかい線が好きです

いつもボールペンの君に
鉛筆を削ってあげた
心地よさ 掌に伝わったかな・・



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2005年07月12日

知りたい?

1hennakao.jpg


『ワレワレハ ウチュウジンダ・・』
みたいな顔にみえるよ
これ、なんていう花なんだろね

花なのかな

わかんない。花のこと あんまりよく知らないんだ

私も知ってるようで 知らないことの方が多いのよ

知ってるようで知らないっていったら
僕らもそうかも知れないね

そうね・・本当は全く何もわかっていないのかも知れないわ

じゃ さ、この花、なんていうのか調べてみようよ

ううん。 調べずにおきましょう・・
今それが どうしても必要なことでもないわ

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2005年07月07日

When you wish upon a star.

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ふたりが あんまりにも
愛し合っていたので
運命の神様は
一緒にいられる時間を
ほんの 少ししか
与えては くれませんでした

ふたりは わずかな時間
お互いを 愛しむように
大切に大切に 過ごしました

星に願いを 唱えてみても
彼女の願いは 彼にしか
彼の願いは 彼女にしか
叶えてあげることは 出来ないと
そんなことも
知っている ふたりでした


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2005年06月10日

それぞれのさいご

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落っこちたのが

固い アスファルトの上で

雨の中

ずぶ濡れで終わるけど

最期に逢えたのが

あなたで良かった・・






花は 時に こちらに向かって
何かを 語りかけてくるように見えることがあります

雨の中 落ちてしまった花を見つけて
落ちても尚 美しさを失わない花に
ふと 足を止めた少年がいました

花を じっと見つめています
てのひらに そっと乗せて
自分の部屋で 水に浮かべてあげようか
そんなことを 考えていました

もし花が
連れて行ってください
そう 語りかけていたら
想いが通じて
少年のもとへ行けたでしょう

けれど 花は
語りかけることは しませんでした
大事に想ってくれた少年に
変わり果てていく
自分の姿を 見せたくはなかったからです
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2005年05月30日

うさたの蝋燭

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うさたはろうそく職人でした。

大好きなうさこと ずっと一緒にいたくても
一人前の ろうそく職人になるまで
それは 許されないことでした

うさたは うさこの為に
早く立派な ろうそく職人になろうと
毎日毎日 夜遅くまで ろうそく作りに励みました

朝が来て 夜が来て
うさこに 逢えることもなく
うさこの声を 聞くこともなく
毎日があっという間に 過ぎていくだけでした

うさたの心の中で
うさこの笑っている顔と 泣いている顔が
交互に浮かんでは 消えていく毎日でした

うさたは いいことを思いつきました
一緒に過ごせる日が来たら
今までの 離れていた時間の分を
ぜ〜んぶうさこにあげよう

時が 止まってしまうくらい
時間が ゆっくり流れる ろうそくを作ろう
うさこ、よろこんでくれるかな・・

ろうそく職人のうさたは
今日も 一生懸命がんばりました




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2005年05月09日

未完成な僕ら

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僕は
いつまでもたっても 小さいまま
背中に 薄い透明な羽根 持っているのに
未だに その使い方もよくわからなくて
まだ 一度も飛んだことはない

誰かが 気持ちよさそうに飛んいでるのをみて
飛ぼうとしたことも あるけれど
羽根の動かし方も ちゃんとわかっているけれど
なんだかうまくは 飛べなかったんだ

ふわりふわり 飛んでるやつは
簡単だよっていうけれど
勇気を出して 飛んでみろっていうけど

真に受けて ひまわりのてっぺんから
お日様目指して ジャンプをしたら
まっ逆さまに おっこちて
全治3週間の 大けがしてさ

それから飛ぶのも怖くなって・・

でも 今 僕は ひまわりの葉っぱの上
やっぱり僕と おんなじように
飛び方がよくわからない君と 出逢った

いつか 大きなひまわりの 花の上まで
君と手を繋いで ふわりふわり飛べたらな
どんなに気持ちいいだろな
そんなこと 思うようになってから
不思議と飛べそうな 気がしてるんだ・・





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2005年04月12日

near by ( 続編 )

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{* 作・vanillaさん } 

一体どれ位の時間を過ごしたのだろう
あたりは すっかり 夕暮れの時を迎えていた

そうだよ 僕は行かなきゃならない場所があったんだ
急がないと暗くなってしまう

もう 半年位 前になるかな・・ 僕は かわいい子犬と出逢った
それからは 時間を見つけて その子犬の所へ 逢いに行くようになったんだ

ごめんね さっきヘンな猫に遭遇しちゃって。
すっかり遅くなっちゃった。

僕が 少ぉし遅れてきたせいか
子犬は いつもより 少し寂しそうな声をあげる
クゥ〜ン・・ クゥ〜ン・・

この子犬の話すことなら わかる。
僕にとって もうこのコは特別な存在だからね。

必ず来るって約束したろ?

クゥ〜ン・・クゥ〜ン
寂しくて 不安で仕方なかったよ
ねぇ、君のおうちへ連れて帰ってよ・・

それは出来ないよって 一番最初にいったはずだよ。
君を おうちに連れて帰りたいのは 僕だって同じさ
でも・・僕の家には ママがいる。
ママとは 上手くやっていけそうにないからね。

君がここにいる限り、僕は必ずここに来るし
それにね、考えてごらんよ
僕だっていつまでも子供じゃない
そのうち 大きくなって ママのもとを離れる日が来るかも知れない。

そうすれば 小さな家を借りて 君を連れて帰ることが 出来る日だって
ちゃんと来るかも知れない。
そのときも 今と変わらず 君がそう望めばの話だけどね。
その日まで 遠いなぁって思うなら
他に飼い主を 探したっていいんだ。

子犬を諭すように そう言った。
この子犬と暮らせる
そんな日が来ることはない・・なんとなく わかっていたけれど・・。

街灯の灯りが 僕らをぼんやり照らして
また さよならの時間が やって来る

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2005年04月09日

near by

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一体何処から現れたのか
突然 僕の目の前に 三毛猫が姿を見せる
振り向きざまに こちらを見つめて
なにやら にゃーにゃーないている

にゃ〜にゃ〜・・にゃ〜にゃ〜・・
あんたさ、おれについといでよ。

はぁ? 今のは空耳か?

いいから ついといでよ。

違う・・。確かに目の前の三毛猫の声だ・・。
やはり空耳なんかじゃない。
だとしたら きっとこれは夢なんだ・・。

あんたさぁ、浮かない顔してるから
いい所へ連れてってやるよ。 ついてきなよ。

浮かない顔? あぁ・・ちょっと考え事をしてたんだ。
それに ついて来いと言われても すぐさま
『あぁそうですか』って ついてはいけないよ。
それに これから大切な用事もあるんだ。

何をいってるんだろう。 これは夢だし、相手は猫だし
何真面目に答えてるんだ・・。
僕はふと そんなことを思う。

何 ためらってるんだよ。 楽になりたいから おれを呼んだんだろ?

え? 僕が呼んだって?

そうだよ。 どうにか抜け出したいって 呼んだのさ。

僕はますます 訳がわからなくなる。

あんたさぁ、そうやって 考え込んでばかりいても仕方ないぜ。
考えて考えて さっきから そこをちっとも動こうとしない。

猫くん、やっぱり君は 愚かだね。
考えて考えて 僕は今、いい方向へ 動こうとしている所なんだよ。

猫くん、愚かだね・・という あんたが愚かなことに 何故気づかないのさ。
愚かな猫の姿・・そんな風にしか あんたの目に映らないってことに。

言ってることが わからないよ。

あぁ、わからないだろうね。 必要以上のことを望んで
大事なことを 見ようとしない。 あんたは いつも考えてばかりだ。
考えて考えて 楽になろうと考えて いい気分になろうと考えて
そうして いつまでも 苦しんでいる。
全てを 理解しようと 思うな。  全てを 理解してもらおうなんて 思うな。
無心になってみるといい。
今、必要なことと 必要でないことが 見えてくる。

にゃ〜にゃ〜にゃ〜・・
言葉が 突然猫のなき声に 変わった・・。

猫はやっぱり猫だった・・のだろうか・・。
そのまま 何ごともなかったように しなやかな足どりで 音もなく
赤いつつじの植え込みの中へと 僕の目の前から姿を消した。








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2005年04月03日

奪回

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「ひなちゃ〜ん!」
「え〜?も〜ぉ?」

あいつは鬼になると いつも真っ先にあの子の名前を叫ぶ。
「だって ひなちゃん すぐ動くから。」
あの子が 花びらみたいに笑いながら あいつと手を繋ぐ。
あいつはあの子が好きだから いつだって真っ先に あの子の名前を呼ぶんだ。

僕だって・・あの子が好きだけど
やっぱり 手なんか繋いでみたいけど
鬼になったって そんなこと出来やしない。

あの子はあいつがいう通り 少しとろくて
すぐにグラグラ 動いちゃうけど
でも僕は鬼になったって あの子の名前、真っ先になんて呼べないよ。

そう、僕はそうやって 多分ずっと あの子と手なんて繋げない。

「だ〜る〜ま〜さんがこ〜ろ〜んだっ!」
「だ〜る〜まさんが〜〜ころんだっ!」

手は繋げないけど・・あの子を自由にしてやるんだ

「だるまさんが〜〜ころんだっ!」

奪回すべく 僕は一気に あいつの手とあの子の手を解く
0.1秒 僕の右手があの子の左手に触れるのは たったそれだけ。

「わ〜〜い!!」

鬼に捕まってたみんなが 一斉に走り出す。
捕まってたまるか。 僕が鬼になったって 僕はあの子の名前が呼べない。
あの子と手なんて 繋げない・・ いつまでたっても きっとこのまま・・

そう思ったら 僕はあの子の手を掴んで 走ってた。
びっくりして あの子の頬が みるみるピンク色に染まってく
僕もびっくりして・・それでも 駆け出す足が止まらない
走る、走る、走る

「ひなちゃーん!何処いくのーーっ!!」
ずっと後ろの方から あいつのすご〜く怒ったような叫び声が聞こえる
けど、止まれない、止まらない

僕たちは随分走って 走って 逃げて 逃げて
走るのをやめた
もう、誰の姿も見えないよ。

「ひなちゃん、シロツメクサの沢山咲いてるところへ 連れていってあげる。」
僕は ハァハァ 息を上げながら それだけいうのがやっとだった。
あの子も ハァハァ 息切らしながら でも こっくり嬉しそうに頷いてくれた。

「シロツメクサの丘へ行こう。シロツメクサの花でひなちゃんにネックレス、作ってあげるよ。」
「ほんとう? うれしい!うれしい!」

そこまで言って 僕は はたと気がついた。
シロツメクサで ネックレスなんて作ったこと なかったんだ。
作り方がわからない・・。 作れない・・。
そんなことより・・シロツメクサの丘へ
僕はまだ 一人で行ったことがなかったんだ・・

「ひなちゃん・・僕・・ひなちゃんと 走ってきたのはいいんだけど・・」
いまさら あの子になんて言おう
カッコ良く あいつから 奪回したのはいいけれど・・
僕は 頭の中が 真っ白になって・・真っ白になって・・

・・・そこで、目が覚めた。
夢だった・・。 全ては夢だった




「どうしたの? なんだか顔色が良くないみたい・・」
寝ぼけまなこの君がいう。
「君と僕が 小さかった頃の夢を見たんだ・・。」

頼りなげな細い指 握り締めて 僕は
シロツメクサの丘へ 君を必ず連れて行く 決心をした。




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2005年04月02日

3軒先の杏の木

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僕の庭には何処にも負けない 大きな杏の木がある
今年も見事なまでに 満開の花をつけた。

この家に 越して来た時
杏の苗木を 買おうとしていた 彼女の手を止めて
花つきのいい 大きな杏の木を 造園屋に調達させたんだ。

彼女は薔薇やカサブランカ
そういった存在感のある花が好きなんだ。
満開の杏の花に 今年もきっと満足している。
料理をするのも好きなんだ。
この木なら 沢山の杏の実もつける。
ジャムを作る楽しみもある。

いいものはいい。 そこのところをよくわかっていて
物を選ぶ目も確かな彼女は けれど
それを手に入れようとしないところがある。
そういうところも知っている。
お金が惜しくて そうしている訳でもない。
それも知っている。

だから僕は この大きな杏の木が 彼女には一番ふさわしいと思ってね。

僕は彼女のことなら何でも知っている。
そんな彼女が3軒先の 恐らく苗木の時に植えたのであろう
まだ頼りない 小ぶりな杏の木に 心惹かれていることも・・

わからないことがあるとすれば
何故 そういうものに執着するのか
そればかりは 全くもってわからない。







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2005年04月01日

女心とは何ぞや

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寒い冬が終わって 僕らの庭の杏の木も
薄桃色の 小さな花をつけた

ひとつ、ふたぁつ、みっつ、よっつ
枝についた杏の花は まだ数える程しかないけれど
綺麗ねぇって 彼女が微笑む

寂しい枝先 よく見ると
つぼみがまだまだついてるわ
これからもっと 咲くのかしら・・

そうだね もう少し待てば
今よりきっと 花は増えるよ

薄桃色の花 もっともっと見てみたい

3軒先の庭先に 大きな杏の木があるけれど
そこへ行けば 沢山の杏の花が咲いているかも知れないよ
僕は彼女の手を取って杏の花を見に行った。

ここ2、3日の暖かな陽気に 杏の花が一気に咲いたのだろう
見事に満開だった。

見事ねぇって 満足そうな彼女だけれど
気のせいか さっきの笑顔と少し違う。

どうして 私たちの庭の杏は あれっぽっちしか咲かないの?

だから、まだ 木が大きくないからさ。

どうしてここの庭の杏は こんなに大きいの?

沢山の杏の花が 見たいんじゃなかったの?

見たかったわ。見たかったけど・・
女心がわかんない人ね

・・・・・・。

君はよく 女心というけれど
妬む気持ちも そうだというなら
僕はそんなもの 知りたいとは思わない。

多分、僕らの庭の杏は 大きくは育たない。
彼女にはっきり そういうべきか
けれど 今に始まったことじゃない。
ずっとこんなことの繰り返し
いっそ 僕だけ違う庭に移ろうか・・。




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2005年03月28日

遠い記憶

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なんだかノスタルジックねぇ
そういいながら
薄い翠(みどり)に閉じ込めた時間を砕くように彼女は
カチッカチッとスプーンと硝子の音を楽しむ

ほら 眠ってた時間の音がするでしょう
そういって
彼女の差し出す冷たさを
いわれるままに口に含んだ

不思議に懐かしい甘さに僕は
大切なこと思い出した気がした
ありがとうの言葉を
一番伝えなきゃならない人に
これまでちゃんと伝えたことがなかったんだ




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2005年03月23日

雨の匂い

2wrain.jpg


ポツポツポツと空から雨粒落ちてきて
雨だよ!雨だよ!って小さい子たちの声がする
補助輪のついた小さな自転車を
短い腕で押しながら雨宿りの場所探してる

少しくらい濡れても大丈夫かなって
それはすっかり春の雨
ポツポツポツと濡れて地面が濃くなって
雨の匂いが一面に広がる

コンクリートとアスファルトの
誇りっぽくてすこぉし生暖かい雨の匂いが
あたり一面たちこめる

雨の匂いが好きだよ。
けれど雨って水だから もともと水には匂いがないから
雨の匂いってなんだろね・・。

頭の上のず〜っと上の雲の粒々
足元にポツリと落ちてくるまでに
空の匂いを吸い込んで
風の匂いを吸い込んで

土に落ちれば土の匂いで
葉っぱに落ちれば緑の匂いで
花に落ちれば柔らかい 優しい香りになれるのに
ここに落ちる春の雨は
アスファルトとコンクリートの匂いです

早く!早く!こっちこないとぬれちゃうよ
小さなおんなのこがおいでおいでをする方へ
肩をすくめておとこのこ
ガラガラガラと補助輪の音響かせて早歩き

暖かい春の雨の匂い
 




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2005年03月18日

赤の桜

2msakura.jpg
                      《 絵 / Mew・満開の桜 》


彼は絵が好き 彼女はそんな彼の絵が好き 彼が好き
ある日 よくわかんない 絵の前で
絵のことが よくわかんない彼女は 彼にこう聞いた

「わかりやすい絵なら わかるんだけど
わかりにくい絵は やっぱりさっぱりわからない
どうしてここに こんな色がくるのかなぁ〜・・とか。」

すると彼はあっさり
「描く人が これは赤だと感じたら
それを赤で表現する。 絵っていうのはそれでいいんだよ。」
という。

彼女は そんな彼が好き
だからやっぱり好きでいいんだな・・と思う。

posted by うさこ at 21:58| Comment(10) | TrackBack(0) | ショート・ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月12日

一緒の時間

2mewmies.jpg


歩くには 少し距離あるスーパーへ
いつもはチャリで 行っちゃうけれど
たまには 歩いてみるのもいいね

欲張って 一番大きな大根なんて 選ぶから
買い物袋が ずしりと重い
「半分 持とうか?」
「大丈夫だよ^^」
「いいよ。半分持ったげる。」
重い荷物も 二人で持つと
長い道のりも へっちゃらなんだね

「美術館とかでさ〜、注意されたこと ある?」
「あるよ〜」
「お姉さんが立ってて 飛んでくるんだよね
な〜んか 大きなのが置いてあって 座るとこだと思って
触ったら ”これは 触れないのよ”って
”す、すいません”って焦ったよ;」

どうして急に そんな話を?(笑)
何の脈絡もない話を ポツポツ 交わして
遠かった? 近かった?
もうすぐ家に 帰りつくよ

一緒にいるだけで 楽しいっていいね
今日の夜は マカロニグラタンだよ。
野菜もちゃんと 食べようね。

posted by うさこ at 18:02| Comment(4) | TrackBack(0) | ショート・ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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